リボンの騎士DVD

へケート・神様

やっと鑑賞する時間が取れました。オリジナルVer.と安倍さんVer.を観ました。
コマ劇場で7公演観たのに、DVDを観てもあふれる涙を止められません。コマ劇で観たときにも日記に書きましたが、普通は泣くような場面ではない、たとえば第1幕では宮殿の奥庭でサファイヤとマルシア王妃が花言葉の歌を歌うところや、サファイヤとフランツがふたりで踊るところでも涙がでます。それらは幸せな場面なのですが、あくまでもつかの間の幸せであり、その後にふりかかる試練や苦悩に思いを馳せると涙なしでは観られません。
繰り返し観てしまうのは葬送の場面です。フランツの剣に飛び込んだサファイヤが全てを打ち明けて息絶える場面はやはり号泣ものですが、へケートも涙を誘います。人間の魂を得て愛される女になるという希が砕かれ打ちひしがれながらも「愛されるより、愛する愛。それが愛」だと悟り、サファイヤに魂を返し自らは再び「永遠の命」=「永遠の孤独」の世界に生きることを選ぶへケート。一転神様から魂をもらえることになり、神様の傍らで満面の笑みを浮かべるヘケート。その笑顔は完全に人間の、それも心がきれいな人間の笑顔です。
とにかく泣きどころ満載の作品なのですが、最後に予想外に涙を誘う場面がありました。エピローグの歌を歌い終え、観客の拍手を一身に浴びる箙さんの笑顔です。ひとつの作品を作り上げ、演じきった達成感や安堵感とともに、この作品が成功したことを端的に物語っているような最高の笑顔です。箙さんがこんな笑顔を見せてくれたことが本当に嬉しく、最後に気持ちの良い嬉し涙を流すことができました。