8/5(土)夜、リボンの騎士

久住小春

歌や演技の力量に応じて、そしてキャラクター的にも、実にどのメンバーも配役にぴったりはまっていました。もちろん力があり出番が多い人の活躍は目立ちましたが、誰が良かったとか言うよりも全体として、グループとしてのモーニング娘。ってなかなかやるじゃん、モーニング娘。ってすごいなあというのが率直な感想。
小川さんはこれがモーニング娘。としての最後の仕事。今までの卒業生は全員コンサートを最後に卒業してきましたから、ミュージカルが最後というのはどうなのかなと思っていましたが、むしろ最後にこんなに素晴らしい仕事ができてよかったのではないかと思います。


各メンバーについて何人か。石川さん。本来の歌唱力の弱さが舞台歌唱法によってカバーされて、石川さんはこんなに歌が上手かったっけと思わせられました。演技も実に堂々としてとても頼もしく見えました。
一方愛ちゃんは悪くないんだけど、石川さんと比べると大人しい印象。本来歌も演技も石川さんより上手いと思うのだけれど、きれいにまとまり過ぎてるような気がしました。でもやっぱりサファイヤ役は愛ちゃんが適任。
ミキティ。歌が誰よりも圧倒的に素晴らしいのだけど、ミキティとしては普通かもしれません。普通にやってて十分素晴らしいんですが、メロンミュージカルにおける斉藤さんのマゼンダ姫の方がもっと憎憎しげで、その分自身の境遇の哀れさや悲しみが引き立っていたように思います。
同様に吉澤さんも、もっと悪く、もっと親バカに演じてほしかったのですが、やり過ぎると大映ドラマのようになってしまうので難しい。「少女に何が起こったか」の石立鉄男のように、サファイヤに向かって「この薄汚ねえシンデレラ!」って絡んだりして。そうなるとサファイヤは愛ちゃんじゃなくて石川さんの方が似合うかな。
亀井さん。騎士トルテュの歌が今までの亀井さんからは想像ができないほどの声量と力強さ。サントラCDで聴いたのとも全然違います。このミュージカルで最も驚いたシーン。
春ちゃん。役柄のせいかもしれませんが、ひとり子役が混ざって、ひとりでハロモニ劇場やってるような我が道を行く感じが最高!小春ちゃんの魅力は、歌唱力とかダンス力とか演技力といった従来の物差しでは計れないのです。