6/25(日)夜、矢口真里・稲葉貴子ディナーショー(MC編)

矢口真里

1曲目が終わってふたりの挨拶。そのときの観客の歓声は普通のコンサートのようでした。ハローのディナーショー、回を重ねるごとに出演者も観客も少しずつ肩の力が抜けてきていますが、ここまでくだけた雰囲気は初めてです。矢口さんがすかさず「皆さん酔ってませんか?」とツッコミを入れるほどでした。「皆さん酔ってませんか?」はその後もお約束のように何回も繰り返されるほど、ノリのいい観客でした。そして観客のそんなノリを引き出すのは、やはり矢口さんと稲葉さんの人柄と、愉快なトークです。ふたりで漫才をやっているかのようでした。
笑いあれば涙ありです。稲葉さんがMCで、応援してくれるファンの皆さんにはとても感謝していて、自分はありがとうの気持ちをダンスや歌で表現したいと思っていると話したとき、瞳が潤んでいるように見えました。稲葉さんはファンの前で歌う機会が限られていますから、こうして歌えることの喜びと、集まってくれた観客への感謝の気持ちがひとしおなのでしょう。
そして矢口さんは、ソロになってバラエティやドラマに頑張っているけれど、やはり自分の居場所は歌う場所、いつかソロデビューしてソロコンサートを開きたいと言うと、この日一番の大きな拍手が鳴り止まず、涙で顔をくしゃくしゃにしていました。(しかしその涙は、観客の暖かさに触れた感激とともに、自分のソロデビューの可能性は現状では限りなく低いことを自分でわかっているような、そんな切ない涙に見えました)
このように涙のシーンもありましたが、全体的には笑いの絶えない楽しいトークの応酬でした。矢口さんはまたこのふたりでディナーショーをやりたいと言っていました。稲葉さんもまた矢口とやりたいと言いました。それは決して社交辞令ではなく、トークの面でも歌の面でもお互いの力量を認め合った上での本心なのだろうなと思わせられる、素晴らしいステージでした。