freedom〜女たちの維新史〜@東京芸術劇場その2

稲葉貴子



時代は幕末〜明治維新。舞台は京都の島原遊郭。時代を動かした幕末の志士たちが集いますが、主役は彼らを愛し、陰で支えた女性たちです。パンフレットにある演出のKINTA氏のことばを引用します。


島原は祇園に比べ端的に女が男に肉体を提供する場所であった。(中略)そこで生きる女たちが金や身分に縛られながらも待ち望んだ自由への期待が、若い志士たちの心を揺り動かしたのです。(中略)歴史の事実の中に潜んだ女たちひとつひとつの真実「フリーダム」。虚と実、嘘と誠、大いなる自由を感じてください。
史実をベースにしつつ「時代は女が創る」というテーマで物語は進みます。村田さんは高杉晋作に身請けされる遊女の役。高杉晋作が組織したかの有名な奇兵隊は、何と村田さんの発案によるものです。村田さんがいなければ戊辰戦争はもう少し長引いていたかもしれません。
稲葉さんは近藤勇に身請けされる芸妓・深雪太夫坂本竜馬新撰組に連行されそうになるシーンがあり、そこで稲葉さんの必死の懇願により竜馬は助かります。もし稲葉さんがいなければ、竜馬は殺されて薩長連合は成立せず日本の夜明けは遠のき、それどころか内乱が長引いている隙に欧米列強の侵略に遭い日本は植民地化されていたかもしれません。今の日本があるのは稲葉さんのおかげなのです。稲葉さんにはいくら感謝してもしきれません。パンフレットより、稲葉さんのことばを引用します。

私はいつもはロープロジェクトの中で歌ったり踊ったり、を主な活動としています。そんな私にとって時代劇は初めての挑戦でした。稽古では慣れない浴衣に正座で足が痺れて立てなかったり、所作がわからず変な事してしまったり・・・ですが、先生方や先輩方から色々な事を学ばせていただきました。
変な事って、どんな事でしょう?テレビドラマの特番にあるようなメイキングやNGシーンを見てみたいものです。

さて今回私が演じるのは深雪。この舞台では遊郭の中でもとても愛を大切にし、愛に生きた女性だと思います。そんな深雪を見て下さっている皆さんが素直に「素敵な女性」だなあと感じてもらえたらすごく嬉しいです。それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい。私に惚れるなよぉ〜(笑)
すみません、ずっと前から惚れてますが(照)。なお、出演者のコメントのなかで、こんな締め方をして「(笑)」まで付けてるのは稲葉さんだけですよ(笑)。