トレードの楽しみ

文化祭トレポス稲葉

あるモノを欲しがる人がたくさんいれば、そのモノの値段が上がるのが経済学の基本です。トレードの場においてもその法則が当てはまります。メンバーの人気に応じて序列が形成されます。その結果、同レベルのメンバー同士なら1対1のトレードが可能ですが、レベルの違うメンバーとのトレードは1対複数になります。


僕は相場に詳しくないので以下のたとえが実勢に合っているかどうかわかりませんが、石川と藤本を同格とすれば、その2人なら1対1のトレード、石川と新垣では新垣が格下なので、たとえば紺野を付けて1対2のトレードになります。石川と稲葉では、当然あまりにも格が違いすぎますので、稲葉以外にいろいろ付けなければなりませんが、稲葉は要らないから藤本クラスを出してくれと言われるかもしれません(泣)。


ただしメンバーの序列は、いわば交換価値です。それとは別にヲタにとっては自分の推しメンが絶対的な価値を持っています。たとえば稲葉は交換価値は低くとも、僕にとってはpricelessな価値がありますし、石川の交換価値が高くとも僕にとってはあまり価値がありません。


ですからもしも僕が石川を持っていて、トレード相手が稲葉を持っていたら、石川-稲葉の1対1トレードが成立します。そして相手の人は僕のことを「神」だと思うかもしれません。あるいは「馬鹿」だと思うかもしれません。または相手の人から他に何か付けますよと言ってくれるかもしれません。そして僕は飯田やアヤカなど、自分の中では価値があるものの交換価値的には弱いメンバーを選んで、やっぱりこのおっさん馬鹿だなあと思われるのです。それでも僕は幸せですし、稲葉が石川に化けたトレード相手ももちろん幸せになります。


トレードの現場では、このような交換価値の基準では計れない夢のトレードが実現することもありますが、実際には多くのヲタが推しメン欲しさに泣く泣く1対複数のトレードに応じたり、自分の弱いカードを複数回のトレードを通じて少しずつ強いカードに変えていく苦労を強いられます。しかしながらそれこそがトレードの、ゲーム感覚の楽しみであり、文化祭で多くのヲタを惹きつけた魅力なのでしょう。