続・6/4昼、結城ハロプロパーティー

松浦亜弥

相次いで中年の男性客が入ってきてカウンターに座りました。にわかに店内が賑やかになりました。ふたりとも常連さんのようです。
男性客A「今日は若い人がいっぱいいるなあ。何かあるのか?」
年配の方(というのもイマイチな呼称ですね。ママさんとでもしておきましょうか)「アクロスにあややが来るのよ。松浦亜弥。」
男性客A「ああ、それでオタクみたいなのがいっぱいいるんだ。」
Aさんにとっては、アイドルのコンサートに行く客=オタク、という認識なのでしょうか。まあ大方間違っていないと思いますが(笑)。
小野さん「こちらのお客さんもそれで東京からいらしてるのよ。」
このタイミングで紹介されると、この人もオタクなのよって言われてるみたいです。曖昧な笑顔を浮かべるしかありません。そんな僕の気まずさを察してか、
ママさん「あたしもオタクだから。」
男性客A「大相撲、K-1、プロレス。」
小野さん「この人格闘技オタクだから(笑)」
ママさん「あとはヨン様?」
小野さん「違うでしょイ・ビョンホンでしょ?(笑)」
ママさん「それからケンさん・・・何ケンだっけ?」
苗字をド忘れしているようです。韓国映画スターの後に出てくるケンさんですから、それなりの色男に違いありません。平井堅でしょうか?
小野さん「森田健作でしょ?」
・・・確かにいい男ですけどね。
ママさん「あたし森田健作の追っかけだから。」
いつの間にかオタクという呼称が追っかけに変わったようです。
ママさん「あんたは誰の追っかけ?」
男性客A「俺か・・・俺はイワナの追っかけだ。」
イワナ!常人の想像力を超えた、掟破りの答えが返ってきました。すると今まで沈黙を守っていたもうひとりのお客さんが、
男性客B「俺はヤマメだな。」
それからふたりは渓流釣りの話に花を咲かせたのでした。


つづく