動物園

小川麻琴亀井絵里

ベストショットvol.4で動物園が出てきましたが、動物園といえば、僕が愛用している新明解国語辞典第4版1刷(1989.11.10発行)の記述を思い出します。
新明解国語辞典のユニークな語釈、用例については、かつて赤瀬川原平氏の「新解さんの謎」という本が火付け役となり、ちょっとした話題になりました。それらユニークな語釈の中で「動物園」のインパクトは強烈です。


どうぶつえん【動物園】
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
亀井さんと一緒に動物園へ行きたいと浮かれている場合ではありません。もし一緒に動物園に行くのなら、僕はそこで亀井さんに人間中心主義の傲慢さについて語らなければなりません。
しかし、亀井さんはわかってくれるはずです。なぜならば亀井さんは「二人ゴト」の鳥インフルエンザの回でこう語っていました。

たまごとお肉を作るために、人間は、えさをたくさんあげて、それで病気になったら処分しちゃうってのは、かわいそうだなって思って、人間のために危険性がある鳥は、全部処分したほうがいいっていうのは、きっと今の社会では最善のやり方なんだろうけど、やっぱりかわいそう。(中略)この時代はけっこう科学が発達している時代なのに、鳥を助けられないのがかわいそう。(中略)こういうニュースを見ると、人間の身勝手さを、すごい自分の中でわかったから、自分も同じ人間だから、(社会が)いい方向に行くといいなって思います。
亀井さんは、人間中心主義の傲慢さ、科学万能主義の限界に気付いています。その出発点は、鳥がかわいそうという素朴な感情です。それはすなわち「愛」です。
ちなみに、上述の新明解国語辞典では「愛」を次のように定義しています。

あい【愛】
個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情。



※明日は多忙につき更新できない予定です申し訳。