[雑記}中野の夜

PLEASE PLEASE ME

仕事の帰りに中野に寄りました。ブロードウェイに行ってみましたが、もう終わっている時刻でした。駅へ引き返す途中、周辺を散策すべく適当に角を曲がって歩いていると、いい感じのジャス喫茶のようなロック喫茶のような店を見つけました。
中に入ってみると、まさにその両方を兼ね備えていました。右手の壁にはロックのレコード、左の壁にはジャズのレコードが飾られていました。お客さんはいませんでした。ジャズが流れていましたが、ママさんが「ジャズでいいですか?ロックもありますよ。」と聞いてきました。「ジャズでいいですよ」「(今流れているのは)ズート・シムズですけどいいですか?」「結構です」なんてやりとりをしました。いい感じのお店です。ビールを飲み、カレーを食べました。
すると中年のご夫婦のような感じのお客さんが入ってきました。ママさんとは顔なじみのようです。だんなさんの方がビートルズが聴きたいとのこと。「”BABY IT'S YOU”がいいんだよ」「わたしは”AND I LOVE HER"がいいわ」と、おふたりともビートルズの、初期の頃がお好きなようです。だんなさんが僕に、BGMをビートルズに代えてもいいかと聞いてきましたので、いいですよ僕も好きですから、と答えました。
ママさんはあまりビートルズには詳しくないようで、とりあえず赤盤をかけてくれました。僕はそのご夫婦と、しばらくビートルズの話しをし、そこから政治の話になって北朝鮮問題、アメリカのイラク政策、パレスチナ問題へと及び、さらに話題は文学論に変わり、夏目漱石森鴎外幸田露伴の話になりました。
僕は、テレビはハロモニぐらいしか見ないし、本も読まなくなったし新聞読むヒマがあったらCD開封しなきゃという、社会人としてダメダメな生活を送っておりますので、ビートルズ以外の話はもっぱら拝聴するに留まりましたが、それでもだんなさんはえらく上機嫌で、僕に何杯も飲み物をおごってくれました。そのたびに奥さんが少しずつ無口になっていったのが気がかりでしたが(笑)。
僕はせめてものお礼に、ぜひ”BABY IT'S YOU”を聴いてもらうべく、ママさんのかわりにレコード棚から”BABY IT'S YOU”の入っている1stアルバムを探してかけてもらいました。