能瀬慶子2004-03-01

僕が赤いシリーズで特に印象に残っている作品は次の三つです。

赤い疑惑
山口百恵が父親(宇津井健)の勤務する病院の事故で放射線を浴び白血病となる。輸血が必要だが血液型が極めて希少なRH(−)AB型。恋人の三浦友和と実は兄妹だったという出生の秘密もあり。
赤い運命
伊勢湾台風のドサクサで赤ん坊のとき取り違えられ、殺人犯(三国連太郎)の娘の山口百恵は実は検事(宇津井健)の娘、検事の娘の秋野暢子が実は殺人犯の娘。
赤い激流
世界的な音楽コンクールに出場する予定だったピアニストの水谷豊。父親(緒方拳)殺しの濡れ衣を着せられ死刑判決を受けるが、宇津井健の尽力で真犯人が見つかりコンクール出場を果たす。

主人公に次から次へと襲い掛かる不幸や苦難。冷静に見ていたら引いてしまうような破天荒な展開やシーンもあったと思います。(上には挙げませんでしたが「赤い激突」で宇津井健が妻の手術を待つ間病院の廊下でバレエを踊り続けるシーンなど有名ですね。)しかし出演者ら(特に宇津井健)の、迫真の演技を突き抜けた力技で、見るもののハートを鷲掴みにしてしまいます。宇津井健に代表されるその演技というか芸風(笑)は、後の大映ドラマにも綿々と受け継がれていきましたね。「赤い嵐」で柴田恭兵と能勢慶子との絡み、「し、しのぶちゃん!」「ま、まことさん!」は、よくモノマネのネタにされていました。

ところでふと思ったのですが、ソニンの波乱に満ちた軌跡を大映ドラマ化したらけっこうハマるんじゃないかな。マグロ漁船とかドミノとかマラソンとか、大映ドラマ以上に荒唐無稽ですよ。(笑)