5/4(日)昼夜、メロン記念日主演舞台「かば」@池袋シアターグリーン

メロン記念日

バラバラに暮らしていた4姉妹。父親・謙太郎がアフリカでカバに殺されたのをきっかけに実家に戻り、一緒に暮らし始めます。そこに謙太郎と交際があったという人間が次々とやって来て、物語が進みます。


なぜ、カバなのか。カバの研究者が語ります。「カバは愚鈍でユーモラスなイメージがあるが、それは人間が勝手に抱いているイメージに過ぎず、実際には多くの人が襲われて命を落としている危険な動物でもある。」そして問いかけます。「あなたは他人からどのように思われていますか?実際のあなたはどうですか?」


つまりカバは「他人から見た自分と実際の自分とのギャップ」の暗喩であり、この物語を貫くテーマとなっています。ですから(ここから先はこのお芝居を見た人でないとわかりませんが)、寺岡が実は男だったというのも、単なるギャグではありません。また柴田さんもそのギャップに人知れず苦しんで心を病んでしまいます。


終盤、さまざまな伏線のタネが明かされていく中で、時任と寺岡の関係だけが明かされぬまま終わってしまったのが残念です。慰謝料詐欺師を追い払った時任が、寺岡によって追い払われることになるとは。「すきやきにジャガイモ入れると美味いぞ!ジャガイモ入れていいか?ダメな人がいるといけねーからな」と4姉妹ひとりひとりに訊いてまわる姿が、強く印象に残っています。